横断ぼうや ひさしくん
製作後

製作後

製作前

製作前

2009-09-18
競馬場からの依頼でFRP製の競走馬胸像の補修をおこないました。古くなった白いFRP製の競走馬の胸像を補修し、新しくブロンズ風に仕上げる、という内容です。 右の画像が製作前、製作後の状態です。美しいブロンズの質感に生まれ変わりました。

1. 準備 取り外し〜洗浄

→馬像は金属のダストボックスに取り付けられています。まずこれを取り外します。馬像はネジ止めされ、上から樹脂パテが塗られてネジを隠してありました。工具を使ってネジを隠してある樹脂パテを削り落とします。次にドライヤーで熱を加えてネジ山に入り込んでいる樹脂パテを柔らかくし、キリでネジ山に入っている樹脂パテを取り除きます。これでネジが外せる状態になるので、インパクトでネジを解きます。

ダストボックスからの取り外し

ダストボックスからの取り外し作業

樹脂パテの削り落とし

1.ネジをふさいでいる樹脂パテの削り落とします。

ドライヤーで熱を

2.ネジ山の樹脂パテにドライヤーで熱を加え柔らかくします。

樹脂パテ削り落とし

3.キリでネジ山の樹脂パテ削り落とします。

ネジを取り外し

4.インパクトでネジを取り外します。

ネジを取り外し

5.ネジが外れました。

→ネジを抜いた穴をふさぎ、FRPで補強します。あとは洗浄して補修の準備完了です。

ネジ穴にテープ

1.ネジ穴にテープをはりつけ、内側から樹脂パテが出ないようにします。

補強する部分を研磨

2.内側の補強する部分を研磨し、その上から樹脂パテを塗り付けます。

グラスファイバーを貼付け

3.FRPグラスファイバーを貼付け、刷毛で樹脂を塗り付け含浸させます。これでネジ穴部分の補強が完了です。

馬像を洗浄

4.馬像を洗浄します。

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2. かたちの修繕

→表面のキズ、割れ、へこみなど、形が破損している部分を樹脂パテで修正します。その後全体を研磨します。形が整うと後は塗装になります。

樹脂パテで埋め

1.表面のネジ穴の部分を樹脂パテで埋めます。

耳の部分

2.耳の部分が割れていたので樹脂パテを塗って修正。

首の部分

3.首の部分の割れも同じように修正。

サンダーを使って全体を研磨

4.サンダーを使って全体を研磨します。

手で研磨

5.サンダーがかからない部分は手で研磨します。

整形が完了

6.溶剤で拭き取って整形が完了です。次はいよいよ塗装です。

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3. 塗装

→最終の行程です。塗装の善し悪しは完成品の質感を左右する重要な要素です。井口工芸では特にこの塗装において、数多くの経験から独自の塗装手法を確立し、高い質感を追求しています。手作りによるクオリティの高さをご覧いただけると思います。

下地を全面彩色

1.まず下地を全面彩色し、一晩寝かせて乾かします。

ブロンズ調の質感

2.少しずつ色を付けていきます。今回はブロンズ調の質感になります。

何回も上塗り

3.何回も上塗りをし、自然な質感に仕上げていきます。

時間をかけて10回以上は塗り作業

4.一見完成に見えますが、まだ上塗りをおこないます。時間をかけて10回以上は塗り作業をおこないます。

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4. 完成!

→ようやく完成です!高いブロンズの質感が表現できました。馬像は全部で6体あり、すべて手作業で以上のような行程を経て完成させました。それぞれ手作りなので一頭ずつ顔が違い、名前を付けたくなるほど愛着がわきます。京都で開催される10月のG1レースでデビューします。またそのときに設置の様子を掲載する予定です。

完成!

完成!

顔部分

顔部分

ネジ穴のあった部分

ネジ穴のあった部分

鼻部分

鼻部分

くつわ周辺

くつわ周辺

目周辺からくつわ

目周辺からくつわ

大きさ比較 左はワインボトル

大きさ比較 左はワインボトル

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